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Coupe du Japonなど国内のマウンテンバイク競技で使用されるNESTOのフラッグシップマシン「PULSAR PRO(パルサー プロ)」を、ホダカ株式会社のワークスチーム「NESTO FACTORY RACING(ネストファクトリーレーシング)」の詫間 啓耀選手、岡本 紘幸選手、黒瀬 文也選手の3名にインプレッションしていただきました。
第1回目は、ホダカ株式会社の社員としてNESTOおよびP&P COMPONENTSの製品開発に従事する傍ら、NESTO FACTORY RACINGチームリーダーとして自転車競技に取り組む「詫間 啓耀(たくま たかあき)」選手によるインプレッションをお届けします。
PULSAR PROにはハードテールフレームのTRAIZE PROからの乗り換えで、サスペンションをフルオープンにした状態のオンロードでのファーストインプレッションは、単純に「フワフワしている、進まない」といった印象であった。
しかし、それがオフロードの速さとは関係ないということはすぐに分かった。
オフロードでのファーストインプレッション、それは「このバイクは速い」だ。リアユニット(リアサスペンション)が下りではギャップをいなしスムーズに滑走し、上りでは脚が生み出す不均一なトルクを均一に路面にトラクションとして伝える。
そして、レースバイクは速さが正義である。
ハードテールかフルサスペンションで言ったら正解はフルサスペンションのPULSAR PROだろう。事実、私はPULSAR PROに乗り換えてからレース成績が向上している。ただし、これは「私の場合」であり、ライダーの脚力や走り方によって正解は異なるはずだ。
PULSAR PROはモデルの位置付け通り「レースバイクらしい」走行感を持っている。
速く走るための必要最小限のサスペンションストロークで、かつシングルピポッドフレームの持つプログレッシブ特性(PULSAR PROの場合、リアユニットのストローク増に伴い、バックステーのしなりでフレーム自体が生む反発力)により、フルサスでありながらキビキビと走る。上りも下りも非常に反応性が良い。
積極的にダンシングを使うような上りでは、サスペンションをロックすることでハードテールフレームと遜色なく軽快に上ることが出来る。
私の選んでいるSR SUNTOUR製のリアユニット「EDGE PLUS」はロックアウトモードが80%ロックのため、無駄な動きを抑制しつつ程よく路面に追従する。これはPULSAR PROととても相性が良く、レース終盤の疲れでペダリングが雑になってしまうような状況でも路面を捉えしっかりと進む。
レースバイクでよく話題に上がる「フレームの剛性感」は、とても高い。
リアユニットが動くので縦方向の剛性感は判別しづらいが、横方向は不自然なたわみは感じず、リアユニットのストロークもスムーズだ。
ハンドル回りの剛性感は、フレーム、フォーク、ハンドル、ホイールすべてのバランスが揃って実現する。34mm径のインナーチューブを持つSR SUNTOUR製のフロントサスペンション「AXON」とP&P COMPONENTSのステム一体型カーボンハンドル「ALCES」、そして同じくP&P COMPONENTSのカーボンホイール「WH-C1600M」の組み合わせによって、ハンドル周りの剛性感は高いレベルにある。これは間違いなくライントレースのしやすさに繋がっている。
PULSAR PROの前後ストローク量は100mm設計となっている。これは国内のレースコースを主眼に開発されているからであり、必要十分なストロークだと言える。
セッティングの方向性としてはこのストローク量をちょうど100%使い切れるセッティングをコース毎に探っていく形になるだろう。そして走り方も必然的にバイクの性能を引き出す走り方になる。バイクの性能を引き出すためにはどう走った方がいいのか考えさせられる。
PULSAR PROはバイクのもたらす性能だけでなく、ライダーの成長という面でもきっと良き相棒になってくれるだろう。
上級ライダーはもちろんのころ、ビギナーにこそPULSAR PROのもたらす恩恵は大きいと言える。
詫間 啓耀(たくま たかあき):選手兼チームマネージャー
静岡県静岡市出身、33歳。
ホダカ株式会社の社員として、主にNESTOおよびP&P COMPONENTSの製品開発に従事する傍ら、自転車競技に取り組んでいる。
2023年MTB XC男子エリートクラスナショナルランキング9位。
「NESTO FACTORY RACING(ネストファクトリーレーシング)」は、総合自転車メーカーホダカ株式会社のワークスチーム。Coupe du Japonシリーズを始めとしたマウンテンバイククロスカントリーおよびシクロクロスの国内レースに参戦。
NESTO FACTORY RACINGは、「自らが経験したオフロードバイクの楽しさを発信し、競技およびホビー層を含めた市場の活性化を目指す」を理念に活動する、当社社員と外部選手で構成される。製品について選手が感じた意見を速やかに開発にフィードバックする環境を整えることで、従来以上に日本の使用環境に適した機材開発につなげる。「人」と「機材」の両面で日本のオフロードバイク市場の活性化を目指す。
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